青葉区で育ったプロ野球選手を調べていて気になったことがありました。選手を送り出した少年野球のチームは、いまも残っているのか。横浜市18区の登録チームを2016年度と2026年度で数え直したところ、市全体では294から253へ、41チーム減っていました。区によっては7チーム消えています。そのなかで青葉区は、21から20へ、1チームしか減っていませんでした。
2016年度の294チームが、2026年度は253チームになりました。10年で14%減です。もっとも減ったのは南区で23から16(7減)、次に港南区が25から19(6減)。中区と泉区も5つ減っています。
消えたのは「青葉スターズ」1チームで、残る20チームは10年前とすべて同じ名前で登録されています。これは18区のなかで減少がもっとも小さいグループです。増えたのは鶴見区(20→22)だけでした。
青葉区の6〜12歳人口は20,187人から17,746人へ、2,441人減りました。チーム数がほぼ変わらないので、1チームあたりの子どもは961人から887人に。区の子どもの数は市内2位ですが、1チームあたりの子どもの数で見ると18区のなかで4番目に多く、チーム数は子どもの数の割には多くありません。
この9月、青葉区で育ったプロ野球選手とプロサッカー選手をまとめた記事を書きました。調べていていちばん印象に残ったのは、選手の名前ではなく、その子たちが小学生のときに入っていたチームの名前でした。元石川サンダーボルト、鴨志田スワローズ、藤が丘ファイヤーズ。どれも区内の少年野球チームです。
それで気になりました。プロを送り出したチームは、いまも残っているのか。少年野球が減っているという話は、この10年ずっと聞きます。野球をやる子が減った、指導者が足りない、土日に親が付き添えない。数字で見たらどうなっているのか、確かめてみることにしました。
横浜市少年野球連盟の学童部が、区ごとの登録チーム一覧をウェブで公開しています。ありがたいことに過去の年度ぶんも残っていて、10年前の平成28年度から現在の令和8年度まで並んで見られます。そこで、18区すべてについて2016年度と2026年度のチーム数を数えました。
市全体では、294チームから253チームになっていました。41チーム減。率にすると14%です。1つの区が丸ごと消えたくらいの数が、10年で無くなったことになります。
減り方には、区によってかなりの差がありました。いちばん減ったのは南区で、23から16への7減。次が港南区で25から19の6減。中区と泉区が5つずつ、磯子区と瀬谷区が4つずつ減っています。増えたのは鶴見区だけで、20から22へ2つ増えていました。
そして青葉区は、21から20でした。1減です。
これは18区のなかで、減少がもっとも小さいグループに入ります。しかも消えたのは「青葉スターズ」という1チームだけで、残る20チームは10年前の一覧にあるのと同じ名前で、いまも登録されています。青葉ドリームス、あざみ野ビーバーズ、市ヶ尾シャークス、市ヶ尾禅当寺少年野球部、市ヶ尾パールズ、榎デビルス、鴨志田スワローズ、グリーンビクトリーズ、嶮山ひまわり、嶮山ファイターズ、桜台ジュニア、スーパージャガーズ、奈良北ジャガーズ、葉桜、藤が丘ファイヤーズ、松風台タイガース、元石川サンダーボルト、元石川ベアーズ、横浜ジャイアンツ、ヨコハマナイン。10年、同じ20の名前が続いています。
チームの名前に地名が入っているのが分かります。市ヶ尾、鴨志田、嶮山、桜台、奈良北、藤が丘、松風台、元石川。青葉区の少年野球は、駅ではなく町の単位でできています。市ヶ尾は3チームあり、元石川は2チームあります。同じ町の子が2つのチームに分かれて、区の大会で当たることもあるわけです。
ここで、もうひとつの数字を見ておく必要があります。子どもの数です。
青葉区の6歳から12歳までの人口は、2016年の20,187人から2026年は17,746人になりました。2,441人減。12.1%の減少です。横浜市全体も9.7%減っているので、青葉区の子どもの減り方は市の平均より少し大きいくらいです。
つまり、青葉区は子どもが12%減るあいだ、チーム数を1つしか減らしませんでした。結果として、1チームあたりの子どもの数は961人から887人に下がっています。これは「1チームに子どもがたくさんいる」ということではありません。同じ数の子どもを、同じ数のチームで分け合っているという意味です。
この1チームあたりの数を18区で比べると、青葉区は887人で、少ない順に15番目=多い順では4番目でした。いちばん少ないのは磯子区の531人で、南区542人、港南区557人と続きます。多いのは神奈川区の2,049人、港北区1,437人、金沢区1,166人。子どもの数は青葉区が市内2位(港北区に次ぐ)なので、チーム数はその割には多くありません。
では青葉区のチームがなぜ持ちこたえているのか。これは数字では答えが出ませんでした。ひとつ言えるのは、区の大会の規模です。2026年4月に開かれた第63回青葉区少年野球大会には、Aクラス19チーム、Bクラス10チーム、Tボールクラス10チームの計39チームが参加しています(タウンニュース青葉区版)。登録は20チームですが、学年ごとにクラスを分けて出すので、エントリー数はその倍になります。1年生から6年生までの学年別に受け皿がある、ということです。
たとえば元石川サンダーボルトは1978年創設で、いま1年生から6年生まで約50名。あざみ野駅から歩いて5分の高台のグラウンドで、土日祝を中心に活動しています。公式サイトの選手募集のページには、グローブとバットは無い場合は貸し出すと書かれていて、道具を持っていない子でも来られるようになっています。このチームは、松井裕樹投手(パドレス)と楠本泰史選手が小学生のときに在籍していたところです。
ただ、この記事の数字には限界があります。学童部の一覧に載るのは、連盟に登録している軟式のチームだけです。リトルリーグやリトルシニアなどの硬式のチーム(青葉区には青葉緑東リトル、青葉緑東リトルシニアなどがあります)は入りません。女子のチームも、連盟に入っていないクラブも数えられていません。そしてチームの人数が分からないので、「20チームが残っている」ことと「野球をやる子どもの数が減っていない」ことは別の話です。同じ20チームでも、1チームの部員が15人から8人に減っていれば、実態は厳しくなっています。
数が減っていない理由を、私たちは断定できません。ただ、10年前と同じ20の名前が並んでいる一覧を見ていると、そこに関わり続けている大人の数だけは想像がつきます。少年野球のチームは、監督とコーチと、当番で来る保護者がいないと1日も動きません。土曜の朝にグラウンドの石を拾って、線を引いて、弁当を持って、日が暮れるまで付き添う。それを20チームぶん、10年続けている人たちが区内にいるということです。
青葉区のグラウンドの前を通ると、土曜の朝に子どもの声が聞こえます。それは当たり前のことではなくて、市内の他の区では10年で41チームぶん減った音です。
このデータは、チーム数と子どもの数だけを並べたものです。もし「うちのチームは部員が増えている」「この10年で人数が半分になった」といった実感をお持ちの方がいれば、お問い合わせフォームから教えてください。次は人数と、指導者の年齢のことを書きたいと思っています。
| 区 | 2016年度 | 2026年度 | 増減 | 子どもの増減 | 1チームあたりの子ども |
|---|---|---|---|---|---|
| 鶴見 | 20 | 22 | +2 | -2.1% | 743人 |
| 戸塚 | 23 | 23 | ±0 | -9.3% | 710人 |
| 緑 | 17 | 17 | ±0 | -11.6% | 607人 |
| 西 | 6 | 6 | ±0 | +12.8% | 882人 |
| 金沢 | 8 | 8 | ±0 | -21.2% | 1,166人 |
| 青葉 | 21 | 20 | -1 | -12.1% | 887人 |
| 旭 | 17 | 16 | -1 | -14.9% | 766人 |
| 都筑 | 17 | 16 | -1 | -18.2% | 875人 |
| 神奈川 | 7 | 6 | -1 | +0.2% | 2,049人 |
| 港北 | 16 | 14 | -2 | +8.7% | 1,437人 |
| 保土ケ谷 | 18 | 15 | -3 | -9.6% | 661人 |
| 栄 | 12 | 9 | -3 | -21.1% | 656人 |
| 磯子 | 20 | 16 | -4 | -6.4% | 531人 |
| 瀬谷 | 13 | 9 | -4 | -24.6% | 673人 |
| 中 | 14 | 9 | -5 | -7.1% | 742人 |
| 泉 | 17 | 12 | -5 | -17.9% | 653人 |
| 港南 | 25 | 19 | -6 | -14.7% | 557人 |
| 南 | 23 | 16 | -7 | -8.7% | 542人 |
| 市全体 | 294 | 253 | -41 | -9.7% | 783人 |
| チーム名 | チーム名 |
|---|---|
| 青葉ドリームス | 桜台ジュニア |
| あざみ野ビーバーズ | スーパージャガーズ |
| 市ヶ尾シャークス | 奈良北ジャガーズ学童野球部 |
| 市ヶ尾禅当寺少年野球部 | 葉桜 |
| 市ヶ尾パールズ | 藤が丘ファイヤーズ |
| 榎デビルス | 松風台タイガース |
| 鴨志田スワローズ | 元石川サンダーボルト |
| グリーンビクトリーズ | 元石川ベアーズ |
| 嶮山ひまわり | 横浜ジャイアンツ |
| 嶮山ファイターズ | ヨコハマナイン |