青葉台駅前で建て替えが検討されている「青葉台プラーザビル」は、駅ができた翌年の1967年9月に完成しました。まわりがまだ赤土の造成地だったころ、街に人を呼ぶために最初に建てられた建物です。それから59年、駅前に何ができて、何が変わってきたのか。東急の社史や公式発表をもとにたどり、再開発で決まっていることと、まだ決まっていないことを分けました。
1967年9月、日本住宅公団(今のUR都市機構)が3棟を建てました。下は東急の商業施設、上は公団の賃貸住宅。人を呼び込むための第1弾でした。URが再開発に加わっているのは、このためです。
今つくっているのは、街の課題と将来の姿をまとめる「まちづくり構想」です。目標は2027年。どんな建物にするかは、その先の話です。
「気になるところ」は、バス・タクシー・送迎の車による混雑が3,542件で突出しました。「ほしいもの」の1位は魅力的な店舗で3,684件です。

1966年4月、田園都市線が長津田まで延びて青葉台駅ができました。そのころの駅のまわりは、山を削った赤土の造成地です。駅前には、土地を売るための「東急青葉台サービスセンター」がぽつんと建っていました。三角形をかたどった、目を引くデザインの建物だったそうです。
土地は売れても、すぐには人が住みません。東急は、街に人を呼び込む方法を探していました。そこで日本住宅公団(今のUR都市機構)からすすめられたのが、下に店、上に住宅が入る「市街地住宅」です。
その第1弾が、1967年9月に完成した青葉台プラーザビルでした。3棟が並び、下の階には東光フードマートなどが入る「青葉台ショッピングセンター」、上の階は公団の賃貸住宅です。買い物ができる場所と、住む場所を、駅前にまとめてつくったわけです。
今の再開発に、横浜市と東急に加えてUR都市機構が入っているのは、このときの住宅を建てた日本住宅公団の流れをくむのが、URだからです。59年前の組み合わせが、そのまま今の顔ぶれになっています。
人が増えるにつれて、駅前の建物も入れ替わっていきました。1979年には、駅前に旧ケンプラザビルが完成します。
大きく変わったのは1990年代のはじめです。1991年に駅と駅前広場が改良され、1992年4月には駅ビル「リクレ」が完成します。翌1993年4月、あの三角形のサービスセンターの跡地に建った東急青葉台ビルに、青葉台東急百貨店が開業しました。5階には、500席のコンサートホール「フィリアホール」がつくられています。たまプラーザと並ぶ拠点の街として、青葉台に「本物」の文化施設を置こうとしたものでした。
そして2000年11月、駅のまわりにあった東急の商業施設をまとめ直して、青葉台東急スクエアが開業します。百貨店の建物はSouth-1に、プラーザビルの店はNorth-2・3・4になりました。今、建て替えが検討されているのは、このNorth-2・3・4の入っている建物です。
その後、2018年11月には地下の食品売り場が「青葉台 東急フードショー」に変わりました。2020年から2022年にかけてはケンプラザビルが建て替えられ、マクドナルドやスシロー、シャトレーゼが入っています。
こうして駅前の顔ぶれが入れ替わるなかで、建物そのものは1967年のまま使われ続けてきたのが、プラーザビルです。築59年。老朽化に加えて、防災やバリアフリーへの対応の遅れが課題になっています。
2025年1月24日、横浜市、東急、UR都市機構の3者は、青葉台駅周辺のまちづくりで連携する協定を結びました。発表には「青葉台プラーザビル等の建替も視野に」と書かれています。
再開発と聞くと、新しいビルの完成予想図を思い浮かべるかもしれません。ただ、青葉台はまだその手前です。
3者がいま取り組んでいるのは「(仮称)青葉台駅周辺地区まちづくり構想」です。街のいいところと困っているところを整理して、将来どんな駅前にしたいかをまとめるものです。2027年に策定することを目標にしています。
そのために、2025年10月から地元の自治会や商店会のメンバー、学識経験者が集まる懇談会を開いています。全部で5〜6回の予定です。第1回では「駅のまわりに緑が少ない」「駅の東側の団地との高低差があって移動が大変」「バスの乗り場が狭い」といった声が出ました。一方で、「バスロータリーは開けていて空が見えるのがいい」という声もあったそうです。
2026年の3月から5月にかけて、駅の利用者などに向けたアンケートが行われました。回答は6,843件。Webで4,784件、紙で2,059件です。
「気になるところ」で突出したのは、バスやタクシー、送り迎えの車による車道の混雑でした。3,542件で、回答者の半分を超えています。朝夕の駅前ロータリーを知っている人なら、うなずく結果かもしれません。2位は建物の老朽化で2,076件でした。
反対に「好きなところ」の1位は、生活や買い物に便利な店がそろっていること(4,305件)。電車やバスが使いやすい(3,954件)、治安が良い(3,665件)が続きます。
これからのまちづくりで重要なものを聞くと、1位は魅力的な店舗(3,684件)。道路の混雑の緩和(3,051件)、ホールや図書館などの文化的な施設(2,853件)が続きました。
回答した人は50代と60代で4割を超え、10代から30代はそれぞれ1割に届きませんでした。5年以上住んでいる人が8割を超えています。長く暮らしている人の声が、多く集まったアンケートといえます。
大事なのは、ここまでの発表に「何を建てるか」がひとつも書かれていないことです。ビルの高さも、工事の始まる時期も、今のお店が工事中にどうなるかも、決まっていません。構想の対象にする範囲も、懇談会の意見をふまえて、これから決めるとされています。
「タワーマンションができる」「お店がなくなる」といった話を耳にすることがあっても、今のところ公式の発表にはありません。
2026年8月には、青葉台東急スクエア South-1のアトリウムでオープンワークショップが開かれ、シール投票などで将来像を考えました。子育て世代へのインタビューも行われています。
3者は、取り組みの状況を「まちづくりニュース」で知らせていくとしています。新しい発表があれば、この記事も書き足していきます。
| 決まっていること | まだ決まっていないこと |
|---|---|
| 横浜市・東急・URの3者で進める | 何を建てるか、どのくらいの高さか |
| プラーザビルの建て替えを視野に入れている | 本当に建て替えるか、いつ工事が始まるか |
| 2027年に「まちづくり構想」をまとめる目標 | 構想の対象になる範囲(懇談会の意見をふまえて決める) |
| アンケートで6,843件の意見が集まった | 今のお店が、工事中や工事のあとどうなるか |
| 聞いたこと | 上位の答え |
|---|---|
| 気になるところ | バス・タクシー・送迎の車による車道の混雑 3,542件/建物の老朽化 2,076件/特別な日やお出かけに使えるお店が少ない 1,962件/休憩やイベントができる場所が少ない 1,917件/バスターミナルの乗り場の混雑 1,402件 |
| 好きなところ | 生活や買い物に便利な店がそろっている 4,305件/電車やバスが使いやすい 3,954件/治安が良い 3,665件/歩いて楽しい駅前・商店街 1,934件/みどりや自然が豊か 1,031件 |
| これから重要なもの | 魅力的な店舗 3,684件/道路の混雑の緩和 3,051件/ホールや図書館などの文化的な施設 2,853件/一般車両・タクシーの乗降場の拡充 2,419件/休憩やイベントができるオープンスペース 2,260件 |
| 思い描く将来像 | 生活に便利で、住み続けたい街 3,741件/交通が便利で、快適に移動できる街 3,229件/広場などゆったりした空間がある街 2,288件 |